E-Mail
elfferding@ gmail.com

ドイツ語 Deutsch
Neuigkeiten

高速自転車道

ロンドン
最近話題になっているロンドンのサイクル・スーパーハイウェイ

ロンドンのサイクル・スーパーハイウェイが注目されている中で、ドイツ国内の高速自転車道に関する計画が確実に進んできた。先端的に取り組んでいるところがリンク自転車にやさしい市町村の協議会を持っているノルトライン・ヴェストファーレン州です。2012年に州内の整備基準が決まり、最初に実施されるプロジェクトがルール工業地帯の高速自転車道です。

内容
リンクノルトライン・ヴェトファーレン州の高速自転車道 ||  リンクドイツの最先端事例であるルール高速自転車道 ||  リンク高速自転車道の発祥

ノルトライン・ヴェトファーレン州の高速自転車道

ノルトライン・ヴェストファーレン州の交通省が2012年の秋にリンク高速自転車道が満たすべき基準をまとめました。

州の基準に基づき、自転車が速やかで安全に移動できる高速自転車道が 、歩行者や他の車両の空間と完全に分離されています。横並びの走行や追越がどこでも可能な幅員がさらに必要です。州の整備基準は 自転車交通の流れ、車道の幅員と設計速度、交通安全、交差点設計、縦断勾配や自転車へのサービスを含んでいます 。州の交通省によると、欧州で高速自転車道の整備基準が導入されたのはこれが初めてです。この基準に基づき、全州 においての統一した走行空間を整備することが目的です。

このプロジェクトの主な目的は自動車に頼らない近距離交通の促進です。慣れている速い サイクリストとゆっくりした初心者がいるだけではなく、電動アシスト自転車が普及していくなかで、速い 自転車や遠い距離を走る自転車への対応が必要となりました。連続的で走りやすい自転車道があると、自転車の通勤距離をさらに伸ばすことができ、自動車から自転車への乗換えを促すことができます。高速自転車道を駅からアクセスしやすいところに整備すると、自転車と鉄道の組み合わせがさらに便利になり、行動範囲が広がります。

ルール高速自転車道がすでに計画・整備中ですが、自転車にやさしい市町村の協議会の支援を得て、州内のプロジェクトを増やす予定があります。興味のある市町村がこの公募に応じることができ、5つのプロジェクトに関しては事前の調査や計画作成のための補助金が出ます。

自動車の州道路ネットワークに相当する、全州に渡る自転車高速交通網を整備することが州の重要な目的です。しかし、この夢が実現する前に、州道路法の改正と高速自転車道の整備と維持管理に関する予算の確保が必要です。そのため 、州の高速自転車道網がいつ実現するかはまだ不明です。

高速自転車道の整備費は 地形とトンネルや橋の整備のしだいですが、オランダにおいては高速自転車道の整備費が1キロ当たり50~200万ユーロであるといわれています。

トップに戻るトップに戻る

 

ドイツの最先端事例であるルール高速自転車道

コペンハーゲン
コペンハーゲンにおけるゆとりのある自転車空間。自転車の速やかな移動を担保する信号制御(グリーンウェーブ)や自転車の通過台数カウンターが交通手段の自転車の重要度を表しています。

ルール地域連合が高速自転車道のコンセプト作成を2011年6月に可決し、ルール高速自転車道に関する事前の調査を行いました。ルール地域連合とは、ルール工業地帯の全ての郡と、郡に属さない都市が入っている団体で 、地域内の共同の課題を解決使用としています。

高速道路A40号線と並行する、総延長85キロで計画されているルール高速自転車道の最初の区間がエッセン市の鉄道廃線ですでに実現されました。最終的には、ドュースブルク、エッセン、ドルトムントやハムなど、ルール工業地帯の大都市をつなげることになっています。主な目的は通勤で、観光を中心とした長距離自転車道と異なって、魅力的な景観が計画の際にあまり重視されていません。

設計速度が時速35キロで、幅員が4~6mですので、速やかに移動しても追越や横並びの走行がいつでも可能です。どこからも高速自転車道に便利にアクセスするために、周辺の自転車交通インフラとの接続が重要ですが、速度をなるべく落とさずに通ることができるように、高速自転車道の優先や立体交差が一般的な交差点設計です。悪天候の場合も自転車の速度を保つために 品質の高い舗装や除雪と街灯が計画されています。

すでにある自転車道を改良し、つなげることによってルール高速自転車道を整備する計画となっています。整備費がおよそ1億ユーロに及ぶと推定されていますが、その8割を州、2割をルール地域連合が出します。維持管理費は おそらく市町村の負担になるでしょう。完成が2020年に見込まれています。

しかし、自転車がブームとなっても、地域内の合意形成が決して簡単ではありません。効果を疑い、整備費を懸念し、他の自転車政策を優先にしたい人などがいます。しかし、通勤距離が10~15キロの人が地域内で多いために、人が車から自転車に乗り換えるポテンシャルがあると思えます。

トップに戻るトップに戻る

高速自転車道の発祥

カリフォルニア
世界初の高速自転車道(1900年頃)

調べてみると、高速自転車道が思ったほど新しい発想ではないことがわかりました 。よりによって、高速自転車道は19世紀末に自動車大国のアメリカで整備されました。自転車が当時大変はやっており、1900年に開通した総延長10キロのカリフォルニア・サイクルウェイがパサデナとロサンゼルス をつなげる予定でした。木造の自転車高架自転車道の縦断勾配が1~3%で、最大の高さが15mにいたるはずでした 。自転車が4台ほど横並びに走ることができるほどの幅員があって、拡幅も可能でした。街灯のために、夜の走行も可能で、料金が道10セント、往復15セントでした。しかし、同時に開発された鉄道があまりにも成功して、一部しか実施しなかった高速自転車道が赤字だらけで、10年以内に解体されました。

高速自転車道がヨーロッパに登場したのは、20世紀の後半です。オランダのティルブルフ市とデン・ハーグ市の間の高速自転車道の整備が自動車交通渋滞の対策として1980年代から実験されてきました。最近はロンドンのサイクル・スーパーハイウェイをはじめに、コペンハーゲンのやスイスのバーセルにおけるが注目を集めています。


トップに戻るトップに戻る

最終更新:2013年2月1日
© Susanne Elfferding. All rights reserved.